最近眠ろうとすると、足が痒かったりむずむずしたりして眠ることができない・・・。今までこんなことはなかったのに、座っている時に足を動かしたくてたまらなくなってしまう・・・。こんな症状でなかなか眠りにつけないことはありませんか?
もしあなたが今、足に痒みやむずむずとした感覚があるのなら、それはむずむず脚症候群という病気である可能性があります。
えっむずむず脚症候群って何?そう思った人もいるのではないでしょうか?そんな名前の病気を聞いたことがないよ、と思った人も多いと思います。
そんな人のためにこの記事ではむずむず脚症候群の症状、原因と対策など詳しく紹介していきます。今現在あなたが足や腕に違和感を感じているなら、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
そもそもむずむず脚症候群とは?
まずはむずむず脚症候群について詳しく紹介します。
むずむず脚症候群はこんな病気です
そもそもむずむず脚症候群とはどんな病気なのでしょうか?
むずむず脚症候群はレストレッグス症候群、または下肢静止不能症候群ともいわれている、ヨーロッパでは17世紀ごろから発見されている病気です。主な症状として、ずっと長時間座っていたりすると足を動かしたくなり、じっとしていること自体が辛くなる症状があります。
眠ろうとベッドに入っても、足がむずむずしたり痒みを感じたりして寝付くことができず、不眠症を併発してしまうおそれもある病気です。
さらにむずむず脚症候群の人は、眠っている時につま先や足首が勝手に動いてしまったり、膝を蹴るように動かしてしまったりする、「周期性四肢運動障害」を伴っていることがあります。
もし朝起きて布団が自分の体から遠く離れていることがあるのなら、あなたはむずむず脚症候群だけではなく、周期性四肢運動障害も併発している可能性があります。
むずむず脚症候群になって困ることは、不眠と日中の不快感です。
眠る前もずっと足を動かしたい衝動があるためになかなか寝付くことができず、睡眠時間が短くなってしまうと、仕事などをしなくてはいけない昼間も活発に働くことができず憂鬱な気持ちになってしまったりストレスが溜まってしまったりします。
さらに日中ずっと座っていたり、長時間同じ姿勢でいたりすることもこの病気にかかると難しくなってしまいます。なので起きている間も頻繁に不快感を感じてしまい、落ち着くことができません。
この病気にかかってしまう人のなかにはうつ病にかかってしまい、自殺をしてしまうこともある恐ろしい病気です。少しでも似たような症状を感じている人はすぐに病院に行って検査をすることをおすすめします。
むずむず脚症候群は腕や背中にもあらわれる症状です
病気の名前を聞くと、足にだけ症状がでてくる病気のように思えますよね。しかしむずむず脚症候群の症状は足だけにでるわけではありません。
足だけではなく、腕や背中も不快感がある…。この記事を読んでそう感じている人もいるかと思います。実はこの病気の症状は最初にふくらはぎや太もも、足の裏などにあらわれ、症状が進んでしまうと腕やお腹、さらに顔や背中にも進んでしまうんです。
ドーパミンという神経伝達物質をご存知でしょうか?実はこのドーパミンの量が少なくなってしまうと、むずむず脚症候群になりやすくなってしまいます。
このドーパミンという物質は大脳基底核という脳の場所に多くあります。そしてこの大脳基底核は全身の筋肉の緊張や感覚に関係のある部位なので、この大脳基底核の働きがうまくいかなくなると、足だけではなく全身に症状が出てきてしまいます。
治療をなるべく早くにはじめないと、むずむずとした感覚が全身にひろがってしまうので、今足に不快感がある人はすぐに病院に行って検査をしてもらうことが賢明です。足だけでも辛いのに、むずむずした感覚が体中に出てしまうのはなんとしても避けたいですよね。
あなたはむずむず脚症候群?診断基準をチェックしてみよう!
この記事を読んでいる方がむずむず症候群かどうか調べるためのチェックシートを紹介します。
- じっとしていると足に普通の状態とは違う不快な感覚を感じ、足を動かしたくてたまらなくなる
- 足の不快な感覚は眠りにつくときや、横になって休んでいたり座ったりしている時に始まる、または症状が悪化する
- 足に感じていた不快感は歩いたり走ったり、運動をすることによって改善される。
- 足に感じていた不快感は昼間よりも、夕方や夜に出てくることが多い
- 家族や親戚に現在、もしくは昔むずむず脚症候群だった人がいる
- 眠っている時に「周期性四肢運動障害」の症状、足が勝手に動いてしまったり、ピクピクしてしまったりすることがある。
- むずむず脚症候群の治療に使われる、ドパミン作動薬で症状が改善される
いかがでしたか?あなたは何個あてはまりましたか?半分以上あてはまる人は検査のためにも、次の休みに病院に行ってみましょう。
むずむず脚症候群は子供や妊婦がなりやすいって本当?
つづいて、むずむず脚症候群になりやすい人達について詳しく紹介します。
どうして妊婦さんはむずむず脚症候群になりやすいの?
このむずむず脚症候群、実は妊婦さんに多く見られる病気です。2003年に1600人の妊婦さんを対象に行われた研究によると、なんと20%の妊婦さんがむずむず脚症候群の症状が出ていたんです。5人に一人の割合でむずむず脚症候群が出ていたんですね。
むずむず脚症候群を発症する確率は、全世代の男女を合わせて約5%です。このパーセンテージを見ると、いかに妊婦さんがかかりやすいかが分かりますよね。
妊婦さんがこの病気にかかりやすい原因は、妊娠による「鉄分不足」と「脊髄の圧迫」です。
妊娠をすると、お母さんの体の血液量は徐々に増え、最終的には約1.5倍にまで増えます。赤ちゃんを産む時の出血に備えるためです。しかし血液量は増えても血液成分は増えていないため、血をつくる鉄分が不足してしまうのです。
またお腹の中の赤ちゃんは、栄養を摂るためにお母さんの体の鉄分を摂取していきます。なので妊娠中はどうしても鉄分が足りなくなってしまうんですね。
そして妊娠中はお腹の中の赤ちゃんがどんどん大きくなっていくため、脊髄が圧迫されるようになります。脊髄はドーパミン神経によって脳とつながっています。しかし脊髄を圧迫されるとドーパミンの機能が低下してしまい、脳への刺激の伝達が上手くいかなくなってしまいます。するとむずむず脚症候群になってしまう可能性が高くなってしまいます。
むずむず脚症候群を予防するためにも、妊娠中は鉄分の多い食品を食べたり、お腹の負担にならない骨盤マッサージなどをしたりすることをおすすめします。
子供がむずむず脚症候群かどうか、大人が見つけてあげましょう
むずむず脚症候群は、子供でも発病する病気です。そして子供に発病して厄介なのは、大人のように自分で症状に気づくことができないこと。なのでご両親など近くにいる大人が普段の些細な行動から気づいてあげる必要があります。
もし自分の子供が以前は大人しい子だったのに、頻繁に歩き回るようになったり落ち着きがなくなったりしている場合は、むずむず脚症候群の可能性があることを視野に入れておきましょう。
子供がこの病気になる原因は、「鉄分の不足」か「遺伝の可能性」です。
大人とは違い、子供は短い期間で体がどんどん成長し大きくなっていきます。そして体が大きくなっていく分体に必要な栄養も増えていきます。血液をつくるのに必要な鉄分も例外ではありません。食事などから摂取できる鉄分が十分ではないことが、むずむず脚症候群を発病する原因の一つです。
両親のうちどちらかがむずむず脚症候群を発症していると63.3%以上の確率で子供も発症しているという調査結果があります。なので自分が発症した経験のあるご両親は、自分の子供がなかなか寝付けなくなったり、足をしょっちゅう動かしていたりしたらむずむず脚症候群の可能性があることを疑いましょう。
子供のむずむず脚症候群の発病は成長するにつれて改善されることもありますが、睡眠不足の日々がつづいていたり学校に通ったりするのに支障が出ているようであれば、すぐにでも病院に行きましょう。
服用している薬の影響で、むずむず脚症候群になる人もいます
妊婦さんや子供の他に、どんな人がむずむず脚症候群になりやすいのでしょうか?
実はこの病気以外の別の病気にかかっていて、服用している薬の種類によってはむずむず脚症候群にかかる原因となります。
むずむず脚症候群を引き起こしやすい薬として「ドパミン阻害薬」と「抗うつ剤」と「抗ヒスタミン剤」があげられます。
ドパミン阻害薬は、薬の名前の通りドーパミンを受け取る受容体をブロックさせ、ドーパミンの伝達を抑制させる働きがあります。吐き気や食欲不振の症状を和らげるために処方されることの多い薬です。
ドパミン阻害薬を飲んでいるとドーパミンが伝達されなくなってしまうので、むずむず病症候群になる可能性が上がります。
抗うつ剤にはドーパミンではなく「セロトニン」や「ノルアドレナリン」といった脳内の神経伝達の分泌と伝達を手助けする薬です。しかしこれらもドーパミンも全て脳内物質であるため、薬を習慣的に服用することによって脳内物質のバランスが悪くなりむずむず脚症候群を引き起こしている可能性があります。
抗ヒスタミン剤はアレルギー症状を改善するために服用する薬です。この抗ヒスタミン剤には神経伝達をブロックする働きがありドーパミンの働きもブロックしてしまいます。なのでむずむず脚症候群を発症させてしまう可能性があるのです。
ここに書かれている薬を飲んでいて、今むずむず脚症候群の症状が出ている人は、薬の服用する量を調節できないか等、いつも見てくれている主治医さんに相談してみましょう。
むずむず脚症候群の対処法を知って治したい!
ここまでむずむず脚症候群の原因、そしてかかりやすい人について詳しく紹介してきました。最後に、一番気になる対処法について詳しく紹介します。
むずむず脚症候群になったら病院に行った方がいいの?
あなたが今このむずむず脚症候群に該当する症状があるなら、まずは病院でしっかりと検査してもらうことを筆者はおすすめします。では検査のために何科に行けばいいのでしょうか?
むずむず脚症候群は睡眠障害のうちの一つなので、睡眠を専門に治療している病院に行くことをおすすめします。科は精神科や神経内科になります。
むずむず脚症候群の治療法は?
それでは日常の中でも取り入れることのできる、むずむず脚症候群を改善するための方法を4つ紹介します。
- サプリメントを飲もう
葉酸、鉄、チロシン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12を配合した、むずむず脚症候群を改善するためのサプリメントです。
定期コースで注文すると、初回30%オフの3,850円(送料無料)で始められて、その上15日間返金保証付きなのではじめやすいです。(定期コースは通常4カ月間の継続が必要です)
- 鉄分をたっぷり摂ろう
病気の原因のところにも書きましたが、むずむず脚症候群の原因の一つとしてドーパミンの不足があるんです。なのでドーパミンの分泌の働きを良くするためにも、鉄分を食事などから多く摂取しましょう。
肉:レバー(豚、牛、鶏)、鶏肉(はつ)、牛肉(せんまい)
魚介類:イワシ、あゆ、しじみ、赤貝、牡蠣、アサリ、ハマグリの佃煮
その他:卵の黄身、ゆば、納豆、ココア
レバーは鉄分の多い食品として有名だと思います。ココアなどは眠る前にホットココアをつくって飲めるので気軽に取り入れやすいと思います。
まずは夕飯に使うお肉をレバーに変えることから始めてみては?
- タバコやコーヒー、お酒の量を減らす
コーヒーや紅茶などカフェインが含まれている飲み物は良質な睡眠を邪魔してしまいますし、むずむず脚症候群の悪化も招きます。眠る前に飲む飲み物は白湯やホットミルク、さきほども紹介したホットココアに切り替えましょう。
タバコやアルコールも刺激が強く、むずむず脚症候群の改善の邪魔をしてしまいます。
さらに夜眠る前にアルコールを呑んでしまうのは睡眠にも良くないです。確かに適度にお酒を呑むと寝つきが良くなりますが、アルコールが分解された時に出てくる「アセトアルデヒド」の影響で、夜中に目覚めてしまい熟睡することができません。
早くむずむず脚症候群を治すためにも、刺激の強い食品の摂取は控えましょう。
- 足を動かす運動を日常に取り入れる
昼間に一日中座っている仕事についていて体を動かさなかったり、激しい運動をしたりすると、むずむず脚症候群が悪化することがあります。しかし夜になって出てくるむずむずする症状をなくすためにも、足を動かす軽い運動をすることを日常的にするのがおすすめです。
適度な運動として30回から40回のスクワットや、昼間の日光を浴びながら歩くウォーキングなどがおすすめです。日の光には幸せホルモンといわれるセロトニンという脳内物質の分泌を手助けしてくれるので、日光を浴びると気分が楽になりますよ。
ベッドに入って足がむずむずしてくるようでしたら、思い切って立って少し部屋の中を歩くのも効果的です。むずむずの不快感をなくすことを第一優先にしましょう。
むずむず脚症候群を治せるツボがあるって本当?
実はこのむずむず脚症候群の症状を緩和できるツボがあるんです。効果のあるツボを4つ紹介します。
- 合谷(ごうこく)
合谷は手の親指と人差し指の間にあります。手を広げた時に、二本の指の骨が接する手前の部分です。合谷に親指を置き、人差し指の方向に向かってグイグイ押していきましょう。
- 曲池(きょくち)
曲池は左右の肘を曲げた時にできるシワの少し内側にあるツボです。人差し指を使ってグイグイ肘の骨に向かって押しましょう。
- 足三里(あしさんり)
足三里は膝のお皿の下にある靭帯の外側にあるくぼみから指四本分下にあるツボです。右の足は右の人差し指を、左の足は左の人差し指をくぼみに置くと小指の部分が足三里に当たりますよ。
- 三陰交(さんいんこう)
三陰交は内側のくるぶしにある突き出た部分から、指四本分上の場所にあるツボです。すねの骨より少し内側にありますよ。軽く3〜5秒押すだけでも効果があります。
むずむず足症候群を改善して快眠を手に入れよう
いかがでしたか?もしあなたに今むずむず足症候群の症状があるのなら、まずは鉄分を摂ってみたり、休日に病院に行ってみることをおすすめします。むずむず脚症候群の症状が出ていて困っている人がいたら、ぜひ改善法や原因について教えてあげてくださいね。
むずむず脚症候群を改善して、ぐっすり眠れる日々をあなたが送れることを祈っています。
足がただむずむずするだけでしょ?知らない人はそう思うかも知れませんが、本人からしてみればとっても辛い病気です。むずむず脚症候群の症状かな?と思ったら、早めに病院で診察を受けて、改善するための対処をはじめてみてください。睡眠の質を低下させてしまうむずむず脚症候群を、決して放置してはいけません。その他睡眠障害についても参考にご覧ください。