起立性調節障害はこんな症状!睡眠に悩みを抱える子供たち

子供が朝起きない、だるい、目まいがするという症状を訴えたら、起立性調節障害を疑った方がいいかもしれません
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悩む母
思春期の子供が朝まったく起きなくて困ってます。だらけているだけなのかしら?
ゴロウ先生
決めつけるのは良くありません。起立性調節障害の可能性がありますよ。

このページの目次

起立性調節障害は「怠け者」と皆から誤解を受ける病気です

子供が朝起きられない。毎日気だるそうにしている。朝起きてからしばらくの記憶が曖昧。午前中は体調が悪い。これらの症状が当てはまるなら、それは『起立性調節障害(OD)』という睡眠障害の可能性が高いです。

起立性調節障害チェック項目

  • めまいがする、立ちくらみを良く起こす
  • 疲れやすい、寝ても疲れが抜けにくい
  • 階段を上ったくらいで息切れしたり動悸が激しくなる
  • 朝起きるのがつらい、起きられない
  • 午前中は元気が出ない
  • 逆に午後になると元気になる(夕方頃からの場合も)
  • 食欲が出ない
  • 少し車に乗ったくらいで乗り物酔いをする

これらの症状が多く当てはまる場合、起立性調節障害かも?と疑ってください。すぐに専門医に相談をするか、症状がまだ軽い場合は自宅でのセルフケアを始めるようにしましょう。

小児科で一般的な診療や血液検査をしても異常が見られないので「単にさぼっているだけ」「嘘をついている」と親が真っ先に子供を責めてしまいがちです。それがストレスになって更に症状が悪化するケースもあるので注意が必要です。

起立性調節障害は病気ですから、普通の「朝が弱くて起きられない」のとは全く別です。まずは親がきちんと症状を理解して病気と向き合うこと、学校や担任を通じて友達にも理解してもらうことが重要です。

起立性調節障害は正しい知識をもって治療を行えば、症状を改善でき日常生活に支障をきたさない状態まで改善できます。さぼっていると見られがちなこの病気からお子さんを救うために、まずは1番の理解者になりましょう。

起立性調節障害は特に思春期の子供に多く見られる睡眠障害です

起立性調節障害は大人もなる場合がありますが、思春期の子供に最も多く発症する病気です。理解されずらく、病気で苦しんでいる本人にストレスがかかると症状が悪化するので、早めの理解と治療を心掛けてください。

起立性調節障害(OD)とは

主な症状は、朝起きられない、立ちくらみがする、目をつむっている時に揺れているような感覚を訴える、動悸がする、倦怠感、食欲不振、頭痛、腹痛、夜の寝付きが悪い、集中力の低下、イライラしやすいなど、日常生活の中で非常に多くの障害を引き起こします。

起立性調節障害は交感神経と副交感神経のバランスが乱れて、血圧や心拍数をコントロールする代償機構がうまく機能しなくなっている状態を指します。思春期の子供の5%~10%が発症すると言われていて、非常に多くの子供が悩んでいます。

小児科を受診しても異常が見られず、夕方頃になると元気になるので、学校をさぼりたいから嘘をついているのでは?と疑う親御さんも少なくありません。そして、夕方から元気になった事により、夜はなかなか寝付けず、起きられないという生活を繰り返すことになります。

親や学校の先生、友達からも理解されないことでストレスが溜まり、症状はさらに悪化します。放っておくと他の睡眠障害、過敏性腸症候群、うつ病などを引き起こす恐れもあるので注意が必要です。

子供が起立性調節障害を発症した場合は、生活習慣の改善や治療、成長と共に徐々に症状が改善していきますが、大人になってから症状があらわれた場合はすぐに心療内科や循環器科へ相談をしてください。うつ病などの障害を合併して社会生活に支障をきたす恐れがあります。

起きたくても起きられないツライ症状を理解してください

起立性調節障害の悪化は不登校、ひきこもりを引き起こします

子供が朝体調不良を訴えて、酷い全身の倦怠感、頭痛や腹痛を発症していたら、親としてはまず学校を休んで病院に連れて行くと思います。しかし、小児科で普通の検査をしただけでは異常を発見できない為、かつては起立性調節障害を科学的に調べること自体が難しいとされていました。

そのため、起立性調節障害で悩む子供たちは、周囲から「さぼっているだけ、嘘をついている、学校に行きたくないから怠けている」などと言われる事がほとんどでした。本人は本当に体調が悪くて悩んでいても、親にすら理解してもらえないとなると、ストレスは溜まる一方です。そのストレスが症状の悪化に繋がり、登校拒否やうつ病につながるという悪循環を引き起こす、非常に厄介な睡眠障害です。

起立性調節障害(OD)の子供は朝起きが困難である。ODに知識のない保護者は「ただの怠け、だるいのは気持ちのもちようではないか」と考えがちになる。
さらに医療機関を受診して「どこも悪くない」と診断されると「やっぱり怠けだ。根性がないだけ。」と思うようになり「早寝早起きをさせて、少々辛くても登校させ、教室で授業を受けさせよう」という対応をとる。
しかし、親が朝に子供を起こそうとしても失敗することが多い。子供が「朝起こしてほしい」と親に頼んでも、実際には目覚めないことが多く、それが原因で親子喧嘩になることも少なくない。
OD児は入眠困難で夜遅くまでテレビを見たり、携帯やインターネットで遊ぶことが多い。保護者は「朝早く起きないから夜に寝付けないのだ。夜は夜で遅くまで起きているから、朝起きれないのだ。悪いのはお前だ。」と批判的に、あるいは叱りつける対応になる。
子供は「本当に体調が悪いのになぜ叱られるのか」と反発を感じて心理的ストレスを溜めていく。
ストレスは自律神経を介してODをさらに悪化させ、重症化し症状悪化や回復遅延を引き起こすことになる。

引用:起立性調節障害 専門医向け診断・治療ガイドライン

現代では血液検査、心電図、血圧測定によって診断することができるようになっています。血圧検査は横になっている時の血圧、立ち上がった直後の血圧、立ち上がって数分経過したときの血圧をそれぞれ計測することで診断を行います。

起立性調節障害は4つのタイプに分かれます

  1. 起立直後性低血圧
  2. 体位性頻脈症候群
  3. 神経調節性失神
  4. 遷延性起立性低血圧

起立直後性低血圧

立ち上がった瞬間の血圧が低いと、起立直後性低血圧と診断されます。これが1番多い起立性調節障害の症状です。英語で「instantaneous orthostatic hypotension」頭文字を取って「アイノー」と呼ばれます。血圧が非常に低いので、強い立ちくらみと、全身のだるさを感じるのが特徴です。

アイノーはノルアドレナリンという「やる気や意欲を高める神経伝達物質」の分泌が非常に少なくなっている状態を指します。重症になると、より症状が重くなるので、朝起きることは難しくなりますし、起きられたとしても、起床後しばらくの記憶が無かったりと、症状は非常に深刻な場合があります。

この「ノルアドレナリン」は、怒りや恐怖や緊張などの感情とも密接に関係しています。分泌が低下すると、日常生活の中でも無気力、無関心の状態となるので、学生生活や社会生活に支障をきたす可能性が高まってしまいます。

体位性頻脈症候群

2番目に多いのが、この体位性頻脈症候群です。英語で「postural tachycardia syndrome」頭文字をとって「ポッツ」と呼ばれます。

起きたときの血圧低下は無いのですが、頭痛や倦怠感を感じます。心拍数が100~115を超える場合は、この体位性頻脈症候群と診断されます。交感神経が過剰に興奮してしまったり、アドレナリンが多く分泌される事によって引き起こされると言われています。

神経調節性失神

3番目に多いのが神経調節性失神です。英語で「neurally-mediated syncope」頭文字をとって「NMS」と呼ばれます。

脈が遅くなったり、末梢血管の拡張で血圧が低下することによって、失神してしまう症状です。原因不明の失神をする人にはこの神経調節性失神の方が多いと言われています。子供から高齢者まで広い年齢層で発症する病気ですが、比較的若い、しかも女性に発症することが多い病気です。

遷延性起立性低血圧

4番目は遷延性起立性低血圧です。起きた直後の血圧は正常で、低下は見られませんが、起きてから数分後に少しづつ血圧が低下していきます。

収縮期血圧で15%以上、または20mmHg以上の低下がみられた場合に遷延性起立性低血圧と診断されます。立ち上がって数分後に冷や汗をかいたり、立ちくらみを感じるなどの症状が見られる場合があります。

起立性調節障害の検査は病院で行えます

上記で紹介した起立性調節障害の主な症状について、大人の場合は糖尿病やその他の病気によって、交感神経に障害をきたすことが原因です。しかし、子供の場合はなぜ「末梢血管交感神経活動」が低下するのか、その原因はハッキリと分かっていません。

生まれつきの体質と片付けてしまえば簡単な気もしますが…とにかく、起立性調節障害の疑いがある症状を発症したら、家庭内で生活改善をして、それでも症状が落ち着かない場合には早めに専門の病院で検査をしてみてください。正確な診断をしてもらう為に、出来る限り午前中の、症状が出ている時間に診察を受けるようにしてください。

子供の場合、診察の際には『小児科』に足を運び、症状をできるだけ細かく説明をした後に自分から「起立性調節障害の疑いはありませんか?」と具体的に聞いてしまうことをおすすめします。(大人の場合は心療内科、循環器科に相談してください)

自宅で行える起立性調節障害の治療・緩和方法

朝起きられない、起きてからも体調がすぐれないと感じたら、自宅ですぐできるセルフケアを行ってみてください。

  • 寝る時間と起きる時間を30分~1時間程度はやめてみる
  • 水分を意識的に多めにとる(1日2リットルを目安に)
  • 1日10グラム程度の塩分をとる
  • 目が覚めてすぐに立ち上がらないようにする
  • 立ち上がる前には少し体を動かしてから立つようにする
  • 歩き始めは頭を少し前に出してからかがんだような状態で歩く
  • 体調が悪くてもすぐに横にならないようにする
  • 夕方などの体調がいい時に軽めの散歩などをして体を動かす
  • 体調が良い時はひきこもらずに学校へ行く
  • むくみを防止する下着や靴下を着用する
  • 夜に目が覚めて元気になったとしてもゲームやスマホで遊ばない
  • 専用のサプリメントを活用する

これらの自宅でできる簡単なケアを行っていくことで症状の緩和を期待できます。子供だけではどうしても対処しきれないことが多いので、親が管理して生活の改善を行うようにしてください。生活改善をしても尚、症状の改善が見られない場合は病院で処方される薬による投薬治療をします。

起立性調節障害は理解されにくく、誤解されやすい病気なので、学校に毎回遅刻をしていたり、休んでいるくせに午後は元気に遊んでいたなどと、友達から後ろ指をさされるような経験をすると不登校の原因にもなりかねません。

自律神経のバランスが乱れている事で引き起こされる症状は、子供のやる気や気持ちだけではどうすることも出来ず、無理をして頑張ったから朝起きられて、体調も改善されるという簡単な問題ではありません。

起立性調節障害は生活の改善、サプリメントや薬による治療で少しづつ改善され、ほとんどの場合は年齢と共に症状が改善されていきます。

まずは焦らず症状のことを理解する。周囲(特に家族)がきちんと見守る姿勢をとる。早めに学校には伝えて、担任の先生や友達にも病気の事を理解してもらう。といった行動をとるのが大切です。

起立性調節障害と診断された中学生の体験談

以下は病院で起立性調節障害と診断された中学生の体験談です。

サチコ先生
起立性調節障害になって辛かったのはどんなこと?
カナさん
最初につらかったのは親が理解してくれなかったことです。親からの批判がすごくて、私がどうしてもつらいと言っても信じてもらえませんでした。
サチコ先生
家族に理解してもらえないのは辛いわよね。
カナさん
はい。叩いてもベッドから転げだされても起きれません。無理に起きたとしても30分くらいの記憶がないんです。サボっている、なまけていると言われました。
サチコ先生
頑張ろうとしても、気持ちだけでどうにかなる病気ではないものね。学校の友達にも誤解された?
カナさん
そうなんです、気合いでどうにかすることも出来ません…学校の友達にはどう思われてるんだろう?って常に不安に感じてました。絶対サボってるって思われてるだろうなって。
カナさん
勉強も遅れるし、無理して学校に行ったこともありましたけど動悸がはげしくなってすぐ保健室に行きました。とにかくストレスが凄くて学校に行きたくなくなります。
サチコ先生
それは大変だったわね。ストレスは起立性調節障害の大敵だから…カナさんはどんな風に病気と向き合ったの?
カナさん
最初、病院の検査でも異常が見られなかったんですけど、病気のことを調べて親に見せて説明をしました。私はこの病気なのかも知れないって。
カナさん
それから別の病院で起立性調節障害と診断を受けて、ようやく親が理解を示してくれるようになりました。学校にも親と一緒に説明に行きました。それでストレスが軽くなったのがすごく大きかったです。
サチコ先生
家族や先生に理解してもらえればストレスは軽減するものね。普段の生活で改善したことはある?
カナさん
はい。朝の調子が悪い分、夜になるとすごく目が冴えて眠れなくなります。だから、少しづつ3日で15分とか早く寝るように努力をしました。最初は寝付けないし、すぐ目が覚めちゃいましたけど。
カナさん
あとは病院の先生が、精神的な病気でもあるから気の持ちようはすごく大事と教えてくれて。落ち込んだり考え込まないように努力しました。絶対治るんだって自分に言い聞かせて。
サチコ先生
周囲の理解と本人が病気と向き合う姿勢が大事みたいね!質問にこたえてくれてどうもありがとう。

同じ症状で苦しんでいる思春期の子供たちの声

小学6年生(12才)男子

朝起きるのがつらくて、起きようと思ってもどうしても起きられなくて、起きても気持ち悪いことが多かったです。最初は風邪かと思って薬局で買った薬を飲んでいたけど全然良くならなくて病院で起立性調節障害という病気ということを教えてもらいました。
最初は友達から「さぼってるんだろ?」と冗談っぽく言われたりもしましたけど今は病気のことを分かってくれてます。無理して学校に行っても授業のことが全然理解できなくて、目をつむって休んでいても頭がぐるんぐるんします。
家族が協力してくれて家で出来ることからコツコツつづけています。最初よりも朝起きることができるようになったのでこれからも頑張って治療をしていきたいです。

中学2年生(14才)女子

朝あまりにも起きれなかったのと、お母さんに無理に起こしてもらっても記憶が全然なくて、おかしいと思って自分でインターネットで調べて起立性調節障害なんじゃないかな?と思ったところからこの病気が発覚しました。今までは普通に生活してたから、最初は親から疑われたのがつらかった。信じてもらえなくて、ケンカしたこともあって、ストレスで円形脱毛症にもなったりしたので、同じ病気で苦しんでいる子供の親には病気をしっかり理解してもらいたいです。
私は薬を使う前に、病院で教えてもらったことを家でするのと、食事とかおやつを変えて、サプリを飲んでたらかなり楽になりました。病院の先生はもう少し大きくなれば治るから大丈夫と言ってくれてるので信じて頑張ります。

高校1年生(16才)男子

もともと学校に遅刻することはあったのではじめは気付きませんでした(笑)でも体調が妙に悪いことが続いて、病院に行ったけど何も問題なしみたいに言われたから、おかしいと感じていました。僕の場合は学校の先生が「起立性調節障害」という病気を知っていて、もしかしたら?ということで少し大きめの病院に行ってみてもらったら症状が当てはまりました。朝起きれないことが病気だったなんて驚きました。
病院の薬を飲んで起きられるようにはなってきましたけど、たまに薬の副作用で気分が悪くなったりして辛いです。あとは学校の勉強が遅れるから精神的に焦ります。でもストレスはためないようにと病院で言われていて、睡眠の障害ってこんなに大変なことなんだって初めて知りました。

高校2年生(17才)女子

親が私のことを叩いても布団を無理矢理はぎ取って転がしても全く起きないと言って激怒して、私はそんな事記憶にないと言って激しくぶつかりました。父親からも気合いが足りないとかやる気がないとか言われて頭にきて、学校にも行きたくないし不登校になりました。
朝は体調が悪すぎて低血圧のせいだと勝手に思っていて、夕方まで寝てそこから起きて夜遅くまで遊んでみたいな、昼と夜が逆の生活をしてました。自分が睡眠の病気だって分かったのは半年後くらいでした。親が調べてくれて。病院に行って検査してわかりました。
私は不規則な生活をしてたから生活のリズムを変えるのがつらくて、食べ物もがらっと変わったから大変でした。おかげで痩せたのは嬉しかったな。いまは体調がかなり良くなったので学校にも通うようになりました。この病気のことがもっと多くの人に知られて欲しいと思います。

起立性調節障害の子供の悩み

  • 親に真っ先に疑われる、怒られる、DV被害
  • 起きたくても起きられないことへのイライラ、ストレス
  • 頭痛、腹痛、倦怠感などの体調不良がつらい
  • 学校で友達にどう思われているか気になる
  • 勉強の遅れ
  • 学校に行きたいのに行けない
  • 学校に行きたくなくなる
  • サボっていると見られがち
  • 夜目が冴えてしまって寝ようとしても寝れない

 どうしても昼夜逆転の生活(体)になってしまう

交換神経と副交感神経のバランスが乱れる病気なので、昼間は辛くて起きられないという症状に加えて、夜は目が冴えてしまって眠ろうとしてもなかなか眠りにつくことができないという症状も多くみられます。

昼夜逆転の体になってしまうと、成長ホルモンがうまく分泌されなかったり、多くの別の障害が現れ始めます。学校に行きたい気持ちがあっても行けない。次第に友達の目が気になって行きたくなくなる。といった、睡眠障害が原因で不登校になる子供も増加傾向にあります。(起立性調節障害を発症した子供の約3割が不登校になっているというデータがあります)

話を聞かせてくれたカナさん(仮名)は、無理に眠ろうとしても頭がぐらぐら揺れているような感覚になったり、あまりにも目が冴えてしまうためにテレビを観たり、スマホをいつまでもいじっていたそうです。当然そうなれば睡眠時間も少なくなりますし、睡眠の質も低下するので、朝起きれない、起きても体調が悪いといった症状は悪化します。

今回話を聞かせてくれたカナさんの場合、生活の改善に加えて食事やサプリメントで摂取する栄養サポートを重点的に行っています。起立性調節障害のときは食欲も低下しがちですが、体に必要な栄養はきちんと摂取しておかないと、別の病気を併発する恐れもあります。

それでは、体に取り入れるべき栄養(食事・食品)と、サプリメントでの補い方について詳しく見ていきましょう。

起立性調節障害のときに良い食品と良くない食品

起立性調節障害の子供は、炭水化物や甘いものを好んで食べているという傾向にあります。バランスのとれた食事ではなく、麺類やご飯類、スイーツなどをよく食べている子供は体内の栄養バランスが崩れて、次第に自律神経の乱れにつながります。

このように、食生活に偏りがある場合は、日々の食事を見直すことが大切です。お肉やお魚、卵やチーズを積極的に食べるなど、たんぱく質、脂質、ミネラルなどをバランスよく摂取するようにしてください。

また、起立性調節障害を発症している子供は塩分が不足しています。あまり神経質に塩分摂取をする必要はありませんが、普段の食事に1品お味噌汁を追加したり、1日10~15グラム程度の塩分を余分に摂取できるように心掛けましょう。

おやつなど、完食をするときにお菓子を食べるのではなく、例えばオムレツにケチャップをかけて食べれば、塩分だけでなく、たんぱく質・脂質・鉄分・亜鉛・ビタミンなどが摂取できるので一石二鳥です。このように、間食をするときにも栄養バランスに気を付けてみてください。

おすすめの食品 肉、魚、卵、チーズ
食べ過ぎ注意の食品 炭水化物(ご飯、麺類)、甘いもの、お菓子

また、バナナ・納豆・アーモンドなどに多く含まれる『トリプトファン』も積極的な摂取を心掛けることをおすすめします。

トリプトファンとは眠りのホルモンの働きを助けるアミノ酸です。体内で作ることができないので、食品から摂取する必要があります。このトリプトファンは、脳内で睡眠や心のリラックスに効果的な『セロトニン』という物質をつくる原料になります。そしてこのセロトニンは、睡眠ホルモンの『メラトニン』の分泌を促します。

トリプトファンを
多く含む食品
そば(生)、バナナ、里芋、あずき、納豆、豆乳、アーモンド、ごま、ほうれん草
アボカド、かつお、まぐろ、牛レバー、豚レバー、鶏レバー、卵、チーズ

トリプトファンと同時にビタミンB6を同時に摂取することで、脳内でセロトニンを効率良く作れるようになります。

上記の一覧に含まれる、バナナ、大豆製品、レバー、まぐろ、かつおなどには、ビタミンB6も豊富に含まれているので、積極的に食事に取り入れるのがおすすめです。

起立性調節障害の症状改善におすすめのアイテム

起立性調節障害の症状は日々の生活を改善することで少しづつ緩和されますが、同時にサプリで栄養補給をサポートしたり、光目覚まし時計や漢方を使うことで、より早い体調改善を期待できます。

うまく活用することで、朝起きられない辛さや、午前中の頭痛や倦怠感などの体調不良を軽減できるので、参考にしてください。

L-テアニン配合のおすすめサプリ『キリツテイン』

起立性調節障害におすすめのサプリメント「キリツテイン」

キリツテインには『L-テアニン』という、玉露や抹茶などの高級なお茶に多く含まれる成分を配合しています。L-テアニンを200mg摂取すると、すっきり爽やかな朝をサポートしてくれると医学論文に掲載されているほど、科学的にその効果が認められている成分です。

L-テアニンの効果

  • リラックス効果で気分をリフレッシュ
  • 起きた時の倦怠感を緩和して眠気をスッキリ
  • 日々のストレスを緩和してくれる
  • 睡眠、休息の質を向上して疲れをとる
  • 集中力の向上を促す
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ゴロウ先生
サプリメントは体質を変える為にどうしても時間がかかります。そのため継続して飲み続けることが大切!定期コースの利用がおすすめです。

9カ月の定期コースなら1回分が半額になるのでかなりお得です。1カ月だけ飲んでどうにかなる病気ではないので、最初から継続コースを選ぶことをおすすめします。

全国送料無料、振り込み手数料無料、定期お届け周期の自由変更OK、30日間全額返金解約保証がついているので、始めやすいのも◎です。

起立性調節障害を発症している思春期男児が実際に飲んでみました。もっと詳しいキリツテインの詳細と効果、使用した感想は下記ボタンから確認できます。

光治療が有効な理由とイチオシの光目覚まし時計『inti 4』

光目覚まし時計inti

起立性調節障害には光治療が有効と言われています。起床時に朝日のような明るい光をあびることで生体リズムが整いスッキリ起きれるというものです。朝起きられない人は、どうしても目覚まし時計のアラーム音を大音量に設定しがちですが、その音がストレスの原因にもなります。

inti光目覚まし時計は多くのメディアでも紹介され、子供の睡眠障害と共に注目を集めています

子供の睡眠障害は年々注目を集めています。その中でも特に症例として多い起立性調節障害と共に、光目覚まし時計の有効性も認知されはじめています。

inti 4は2,500ルクスという強い光を出しますが、この光を浴びることで体内時計がリセットされて、正常のリズムに近付きます。これを続けていくことで交感神経と副交感神経のバランスも整い、夜眠りやすく、朝起きやすい体になれます。

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特典 3カ月使用して満足できなければ全額返金保証

目覚まし時計にしては高額です。ただし、体感としてはかなりスッキリ目覚めることが出来るのと、不思議なくらい目覚めた後の体調が良くなります。体内時計が正常なリズムに近付いている証拠なのでしょうけれど、3カ月お試しできて起きられなかったら返金できるのなら、試してみる価値は十分にあります。

朝起きるのが苦手なモニター3名(内、起立性調節障害の男児1名含む)を対象に、実際にinti 4をしばらく使って朝起きてみました。体感と感想レポートをまとめたので以下のボタンからご確認ください。

起立性調節障害に有効な漢方

起立性調節障害に有効とされている漢方薬もありますが、漢方は薬ではありませんので即効性はありません。漢方の考え方は体の調子を正常な状態に整えて改善していくというものなので、規則正しい生活リズムと食事に加えて、継続的に使用する必要があります。

以下に起立性調節障害を発症したときに効果を期待できる漢方を症状別にまとめておきますので参考にしてください。

苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)

  • 頭がふらふらする感覚のある人
  • ふらついて真っ直ぐ歩けないことがある人
  • ストレスを溜めやすい人

半夏白朮天麻湯(ハンゲバクジュツテンマトウ)

  • ツライ頭痛を感じることがある人
  • めまいがしてふらつく人
  • 消化器官(胃腸)が弱い人

五苓散(ゴレイサン)

  • 体がむくんでしまう人
  • 頭痛や倦怠感を頻繁に感じる人
  • トイレに行く回数が少なく余計な水分を溜めこんでしまう人

真武湯(シンブトウ)

  • 体が冷えやすい(冷え性)人
  • 腹痛や下痢になる事が多い人
  • めまいや動悸が激しくなりやすい人

補中益気湯(ホチュウエッキトウ)

  • 朝起きるまでに時間がかかる人
  • 目がさめても目まいがしたり頭がぼーっとする人
  • 立っているのがつらくすぐに座りたくなる人

十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)

  • 寝ても体の疲れが抜けにくい人
  • 食欲不振などで体力が落ちている人
  • 髪の痛みや肌荒れが気になる人

専門院で処方される薬について

自宅で生活改善、食生活の改善、サプリや漢方などを使っても状況が改善しない場合は、病院で処方された薬による投薬治療をする必要があります。子供に薬はなるべく使いたくないという方も多いと思いますので、主な処方薬と副作用についてまとめました。

メトリジン/塩酸ミドドリン

血管にある交感神経を刺激して血管を収縮させ、血圧を強制的に上げる薬です。おだやかに長く効くのが特徴です。

副作用:頭痛、動悸、吐き気、腹痛、発汗

リズミック

交感神経の働きを促して、ノルアドレナリンを増やす薬です。血圧の上昇や立ちくらみを緩和する効果があります。

副作用:動悸、高血圧、頭痛、吐き気、尿が出にくい

ジヒデルゴット

血管が拡張するのを抑える薬です。血圧の低下を抑えて、めまい、たちくらみ、頭痛が起こるのを防ぐ効果があります。

副作用:吐き気、口の乾き、動悸、眠気、発疹

インデラル

血圧を下げる薬です。心拍を抑えて心臓を休ませる効果があります。高血圧症の治療や重い頭痛に効果があります。

副作用:だるさ、めまい、低血圧、しびれ、目の乾燥、眠気、気分の低下

起立性調節障害は完全に治るのか?

サチコ先生
起立性調節障害は日常生活にまったく問題ないくらいまで回復できる病気!諦めずに日々の生活改善などの治療に努めましょう。

どの程度の状況を「治る」と定義するかにもよりますが、起立性調節障害は正しい知識を身につけた状態で治療すれば、ほどんど日常生活に支障をきたさない程度まで良くなる病気です。小学生で発症した場合は、中学生までで症状は軽度になり、高校~大学生の体力がつく頃にはほぼ問題なく学校にも行けるほどに回復します。

しかしこれは、きちんとした対処をしている場合。不登校になった我が子を、ただやる気がなくて何を言ってもきかない子と判断して、放ったらかしにしてしまえば、症状の改善はおろかどんどん悪化して別の深刻な病気を引き起こすことさえあります。

ここまでで述べてきましたが、まずは病気と落ち着いて向き合うこと、そして病気を理解して付き合うことが大事です。起立性調節障害を発症した子供はだらけているように見えてしまいますから、そこで頭ごなしに叱りつけてはいけないと覚えておいてください。

昔と違って、現代には良いものがたくさんあります。薬だけではなく、サプリメントや光目覚まし時計など、体内の栄養を補い、体内時計や自律神経を正常化するアイテムがあるので有効的に活用して早めに睡眠障害を克服してください。

起立性調節障害の子供の約9割が、高校~大学と卒業して通常通り(平均並みの数字で)社会に出ています。諦めずにしっかりと病気・治療と向き合うようにしましょう。

日常生活に支障のある中等症では、1年後の回復率は約50%、2~3年後は70~80%です。重症例では、朝が起きられないために、ほとんど欠席しますので成績も悪くなります。この場合、普通高校の進学は難しくなります。もし、入学できたとしても、朝の授業にたびたび欠席して、留年になることも珍しくありません。しかし、からだと心の両面から治療的対応がうまくいき、さらに体力に見合った高校(午後から授業の単位制高校など)に進学すれば、高校2年生ごろにはかなり回復し学業や運動にも支障がなくなります。重症では社会復帰に少なくとも2~3年かかると考えた方が良いでしょう。

引用:日本小児心身医学会

同じ悩みを抱えている方たちのブログ

起立性調節障害の症状に悩んでいるお子さん、保護者の方は大勢いらっしゃいます。睡眠障害や病気などと診断されて最初は不安になりますが、何も問題なく生活できるレベルまで改善できる病気です。一刻も早い回復のために親子で力を合わせて頑張ってください。

明るく前向きに病気と向き合うこと。病は気からという言葉がありますが、気の持ちようひとつで親も子も精神的な負担がなかり変わるので大切なことです。

起立性調節障害(OD)~もぐちゃんママ奮闘中~

~起立性調節障害~息子の再登校までとその後

起立性調節障害の会 もみじのブログ

ayamiの子育ち 自分育ち日記

いろいろある毎日・・それでも幸せ

起立性調節障害まとめ

ゴロウ先生
親の理解が子供を安心させます。子供を信じて焦らずに見守る気持ちがこの病気と向き合う上では大事です。

何度もお伝えした通り、起立性調節障害は『誤解されやすい病気』です。

朝起きられず、起きてもぼーっとしていたり、学校を休んでゴロゴロしている。夕方頃になると元気になって、夜遅くまでテレビやスマホを見て夜更かしをしている。

こうして見れば、親としてはだらけているとしか感じられなくても無理はありません。しかし、本人は体調が悪く、本当の事を言っているだけなのになぜ叱られなければいけないのかと、ストレスを感じてしまいます。それが悪循環となり、症状はどんどん悪化します。

子供が起立性調節障害を発症したら、まず大切なのは落ち着いて生活を見直すことです。病気と診断されたからといって、頻繁に病院に通う必要はありません。特に症状が軽度~中度であれば、自宅でできるセルフケアで辛い朝の体調を改善させることができます。

お子さんの食生活、炭水化物を好んで食べていませんか?肉や魚を嫌がって食べていないという事はありませんか?卵やチーズなどが不足していませんか?お菓子や甘いものを好んで食べていませんか?食事の見直しだけでもこれだけの項目があります。

スナック菓子や甘いチョコやケーキを、アーモンドやアボカド、スクランブルエッグに変えるだけでも体質は少しづつ調整されていきます。体の中のバランスの乱れは、食生活のバランスの乱れと繋がっています。

あとは、ここで紹介したサプリメントや光目覚まし時計、漢方薬でサポートしてください。寝る時間を少しづつ早めてみるといった努力も有効です。

子供の内に発症した起立性調節障害は年齢を重ねるごとに改善されていきますが、あまりに放置しておけば、深刻な自律神経の乱れからうつ病や成人病を併発する可能性も出てきます。親子で協力して早めに病気と向き合い、生活のバランスを正すことなどの効果的な治療を試みてください。

苦しい病気を克服して、毎日を元気に過ごせる体を取り戻しましょう。

ツライ睡眠障害は治ります

いまや睡眠障害は子供から大人まで、みんなが発症する病気として認識されるようになりました。ツライ睡眠障害を抱えていると、毎日寝るのが憂鬱になってしまいます。しかし、睡眠障害ときちんと向き合って正しい対処をすれば、ほとんどの症状は改善することができます。焦らず、諦めず、病気と向き合って完治を目指すようにしていきましょう。その他の睡眠障害についてもまとめてあります。

記事一覧:睡眠の悩みはこれで解消!ツライ睡眠障害を治すための方法

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