眠っていると、突然息苦しくなり目が覚めてしまうことがある。隣で寝ている夫のいびきがひどく、そして最近は呼吸が止まっているように感じる。眠っている時の呼吸について、悩んではいませんか?
あなた、もしくはあなたの家族が眠っている時に呼吸が止まっているならば、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
「睡眠時無呼吸症候群って何?」「呼吸が止まっているけれど、重大な病気なの?」この記事ではそんな疑問を持っている人のために、無呼吸時睡眠症候群の原因や対処法を詳しく紹介します。
病院で検査の予約を取る前に予備知識として、気になった部分だけでも参考にしてみてくださいね。
睡眠時無呼吸症候群の原因はこれです
まだ睡眠時無呼吸症候群について詳しく知らない人のために、睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気なのか、また原因について紹介します。
そもそも睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気?
睡眠時無呼吸症候群とは、一体どのような病気なのでしょうか。
睡眠時無呼吸症候群は英語でSleep Apnea Syndromeと言い、「SAS」という言い方もします。言葉の通り、眠っている間に呼吸が止まってしまう病気です。
どのような状態の時を無呼吸だと判定するかというと、呼吸が10秒以上止まっている時になります。この呼吸が止まっている状態が眠っている7時間に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上呼吸が止まっていた場合、睡眠時無呼吸症候群にあたります。
いびきをよくかいていたり、突然呼吸が止まっていたりするなら、あなたは睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。一緒に眠っている人がいるなら、自分が眠っている時の状態についてチェックしてもらいましょう。
眠っている間は意識がないので、一人暮らしの人などは気づきにくいかもしれませんが、朝起きた時に口が渇いていたり、長時間眠ったのに疲れがとれていなかったり、頭が痛かったりした場合は、睡眠時無呼吸症候群である可能性があります。
また高血圧の人は睡眠時無呼吸症候群を併発させやすので、高血圧の人は眠っている時の自分の呼吸に注意してみてください。
眠っている時に呼吸が止まってしまうと、活動する時に働く交換神経が休むべき夜に働いてしまいます。その結果血圧が上昇してしまい、昼間の血圧を上昇させることにも繋がってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群の原因2つ
睡眠時無呼吸症候群になってしまう原因は2種類あります。
一つ目は上気道という、鼻から喉頭までの気道に呼吸をする隙間がなくなり、呼吸が止まってしまうパターンです。睡眠時無呼吸症候群の人の90%くらいの人はこのパターン、閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSA)にあたります。
上気道で呼吸が上手くいかなる原因として、首や喉の脂肪が増えて圧迫してしまうことがあります。しかし顔や首まわりの骨格や舌の大きさによって、元々発症する可能性が高い人もいます。
そしてもう一つの原因としてあるのが、眠っている時、脳から呼吸をするよう指令が出なくなってしまう、呼吸中枢の異常によるものです。これを中枢性睡眠時無呼吸タイプ(CSA)といいます。このタイプの睡眠時無呼吸症候群の人の割合は、閉塞性睡眠時無呼吸タイプとは違い、わずか数%程度です。
睡眠時無呼吸症候群になりやすい人にはこんな特徴があります
睡眠時無呼吸症候群は、太っている人ばかりがなってしまう病気ではありません。さきほども説明したように、上気道の呼吸を圧迫してしまうのがほとんどの睡眠時無呼吸症候群の原因であるので、元々首が短かったり、舌が大きかったりする人もかかりやすい病気です。
あとは歯並びが悪かったり、下あごが後ろの方に下がっていたりする人もこの病気にかかりやすいです。
そして女性よりも2〜3倍の割合で男性の方がかかりやすい病気です。理由の一つとして、太る時に男性は上半身に脂肪がつきやすいことが挙げられます。女性よりも頸部、つまり首などに脂肪がつきやすいので呼吸を圧迫させやすいのです。
しかし女性も、更年期以降、おおよそ50歳以降に睡眠時無呼吸症候群になる確率が上がります。理由は閉経による、女性ホルモンの働きの変化です。女性ホルモンのうちの一つであるプロゲステロンの働きとして、上気道の筋肉の運動を高める運動があります。女性ホルモンの働きが変わり、うまく上気道の筋肉が動かなくなってしまっている可能性が高いです。
男性も年齢を重ねていくにつれ、体全体の働きが衰えていくように首や喉の筋肉が衰えてしまい、呼吸をする気道を確保することができなくなっていくことがあります。そして年齢を重ねると自然と代謝も落ちてしまい太りやすくなります。結果首まわりに脂肪が増えてしまい、気道を塞いでしまうのです。
自分でできる、睡眠時無呼吸症候群の対策と治し方4つ
病院に行って治療をすることも大切ですが、まずはあなたの生活習慣を変えることから始めてみて、睡眠時無呼吸症候群を改善しましょう。
肥満解消のために運動や食事制限を始めてみては?
肥満はこの病気の原因の一つです。特に男性の人は自分の首まわりに脂肪が増えてしまっていないか確認して、減量に挑戦してみましょう。
自分が肥満かどうか確認する方法として、身長と体重から計算できる「BMI」を調べてみるのもおすすめです。BMI22の体重が標準体重とされています。
仕事が忙しくて運動をしたり食事制限をしたりするのが難しくても、少しずつ生活習慣を変えるようにしましょう。週に一回から二回、朝にウォーキングをしてみたり、外食でもサラダを取り入れてカロリーを抑えたり。
肥満は睡眠時無呼吸症候群のほかにも高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞になるリスクがあります。気付いた今から対策を始めましょう。
口呼吸から鼻呼吸に切り替えましょう
人は本来呼吸する時は鼻呼吸が基本です。しかし口呼吸をしている人もたくさんいると思います。そして日常的に口呼吸をする人は眠る時も口で呼吸を行っています。
眠っている時に口で呼吸をしてしまうと、舌の筋肉が衰えてしまい、舌が喉の方へと沈んでしまうので気道が圧迫されてしまいます。この状態が睡眠時無呼吸症候群の原因の一つにもなるので、なるべく鼻呼吸をするように心がけましょう。
今は鼻呼吸にするためのグッズもたくさん販売されています。口を閉じるテープや、鼻呼吸をスムーズにするためのノーズチューブやノーズピンがあります。
自分の努力だけでは改善は難しいと思うので、ぜひグッズを利用してみてはいかがでしょうか?
タバコ・アルコールを控えましょう
普段からタバコとアルコールの量が多い人は注意が必要です。
タバコを吸っていると気道周辺に炎症を起こしてしまったり、また上気道の粘膜をむくませてしまったり、血液中の酸素を減少させている可能性があります。結果として気道を狭くしてしまっている原因になっている可能性が高いです。
そして眠る前にアルコールを呑むと舌や喉の筋肉が緩んでしまい、こちらも気道を狭くしてしまう原因になります。眠る前に寝つきを良くするためにアルコールを呑む人もいると思いますがおすすめできません。眠る2時間前には飲酒は終わらせましょう。
アルコールはいびきの原因にもなるので、量は調節して呑むのが健康のためにも必要です。
仰向けから横向きに変えてみましょう
普段あなたが夜眠るとき仰向けで寝ていて、かつ睡眠時無呼吸症候群ならば、一時的に横向きに変えることをおすすめします。仰向け自体は悪い姿勢ではないのですが、気道を確保しづらい姿勢ではあります。
なので睡眠時無呼吸症候群が改善されるまで横向きで眠ることをおすすめします。そしてなるべく眠っている時に呼吸をしやすい、自分の頭に合った枕を使用するようにしましょう。首の高さなどが合わない時はタオルなどを挟んで調節するのが手軽で便利です。
眠っているうちに仰向きの姿勢に戻ってしまう時は、敷布団の上に片側だけタオルなどを敷き、傾斜をつくって横向きを維持できるようにしましょう。抱き枕などを利用しても横向きを維持しやすいですよ。
寝ていても横向きの状態を維持できる枕もおすすめ!
いびきの軽減、睡眠時無呼吸症候群の防止、腰痛予防、睡眠の質がアップなどが期待できる『横向き寝専用』の高機能枕です。子供から大人まで使えて、メディアにも大注目されています。公式サイトのキャンペーンを利用すれば、18,000円で2個購入すると3個目が無料になるので家族で使ったり、プレゼント用としても最適ですね。
睡眠時無呼吸症候群を病院で治すことも大切です
先ほどはあなたの生活習慣を改善して睡眠時無呼吸症候群を改善させる方法を紹介しましたが、生活の改善と一緒に病院に行ってまずは検査と診療を受けることもおすすめします。
まずは睡眠時無呼吸症候群の検査をしてみましょう
睡眠時無呼吸症候群の治療ができる病院や医療機関は全国にあります。今は様々な科で診療もしてくれるので、まずは家の近所に診察ができる病院がないか探してみましょう。
下記のサイトから全国の無呼吸睡眠症候群を診療してくれる医療機関を検索することができますよ。
近くの睡眠専門医療機関検索する ⇒ 無呼吸睡眠症候群の検査、治療が行える医療機関
睡眠専門の医療機関もあれば、内科、心療内科、呼吸器科、精神科などでも診療をしてくれます。
また検査などに行く前に自分の状態を確認しておくとお医者さんへの説明もスムーズに進むと思うので、事前にセルフチェックをしておきましょう。
睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックは下記のサイトですることができます。
睡眠時無呼吸症候群かもと感じたらセルフチェック ⇒ 簡単!睡眠時無呼吸症候群チェック
医療機関での検査は、まず簡易検査を行います。自宅での睡眠の状況を確認するために専用の機械を持ち帰り、いつも通りに夜眠って検査をすることができます。
指先にセンサーをつけるパルスオキシメーターという機械や、鼻と口にセンサーをつけるアプのモニター、またパルスオキシメーターやアプノモニターの機能に足していびきや胸部の動きを測定するスリープテスターなどを利用します。
そして簡易検査の結果、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと診断された場合、精密検査に進みます。「ポリソノグラフィー(PSG)」という精密検査を行います。
このポリソノグラフィーは一泊二日で行われ、呼吸や眠りの状態を調べるために体中にセンサーを付けて一晩眠ります。痛みなどはなく、また病院によっては次の日に退院して仕事に行けるので安心してくださいね。
この精密検査で治療を受けた方がいいという診断結果だった場合、睡眠時無呼吸症候群の治療法の一つ、「CPAP治療法」が保険適用できるようになります。
気になる人はぜひ検査に行ってみることをおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法3つ
医療機関で行われる睡眠時無呼吸症候群の治療方法を3つ紹介します。
【CPAP】
「CPAP(シーパップ)」とは、「Continuous Positive Airway Pressure」という喉の気道の隙間がなくなってしまう閉塞性睡眠時無呼吸タイプの人に有効な治療方法です。
方法はCPAP装置という装置を使い、眠っている時にその装置に繋がっている鼻マスクをつけます。そして装置から一定の風圧の空気が送り込まれ、上気道が広がり気道が確保されるものです。
CPAPは日本や欧米では有名な睡眠時無呼吸症候群の治療法で、さらに継続して利用すると長寿につながるという報告もあります。
【マウスピース】
夜眠る時にマウスピースを使用して、下あごを上あごよりも前方に出し、固定させる方法です。下あごを前方に固定させることで上気道を広くし、気道を確保することができます。
マウスピースは医療機関によってはつくってくれますが、歯の噛み合わせなどもあるので、実績のある歯医者さんに作成を相談してみることもおすすめします。
この治療方法の場合、睡眠時無呼吸症候群の症状が重い人にとって最善の治療方法ではないので、軽度であったり、明確にお医者さんがマウスピースの使用を推奨したりした際に利用するのをおすすめします。
マウスピースをつくる費用は、保険が適用されていた場合1万5,000円前後で、保険の適用がなかった場合は4〜5万円くらいです。市販でも売られていますが、なるべく自分の歯の型に合ったものを使用するのがおすすめです。
【手術治療(UPPP)】
睡眠時無呼吸症候群は外科手術で治療を行うことも可能です。一番有名な手術の方法として「UPPP」というものがあります。
UPPPは気道を塞いでいる軟口蓋(なんこうがい)、口蓋垂(こうがいすい)、口蓋扁桃(こうがいへんとう)といった部位を切除し、気道を確保する治療方法です。いびきの治療にも有効な手術です。
UPPPは入院が一週間から二週間ほど入院が必要な手術になり、費用は最低でも10〜15万円ほど必要になります。
このUPPPという治療方法でも、100%の確率で睡眠時無呼吸症候群を治せるわけではないので、手術をするのを決める前にお医者さんとしっかり相談をしましょう。
睡眠時無呼吸症候群を放っておくと危険です
今あなたが睡眠時無呼吸症候群の可能性があるのなら、まずはセルフチェックをしてみたい、少しずつ生活習慣を変えてみてください。
一番してはいけないのは、疑いがあっても放っておくことです。なぜなら睡眠時無呼吸症候群が原因で、現実的に交通事故などが起こっているからです。
2012年の東京の首都高速湾岸線で、一台のトラックがワゴン車に衝突する交通事故が起きました。その事故で6名の人が命を落としています。そしてトラックを運転していた人は、睡眠時無呼吸症候群の症状が確認されました。
夜に睡眠時無呼吸症候群によって呼吸が止まり、十分な睡眠がとれないでいると活動しなければいけない昼間にも影響が出てきます。集中力や神経を使う車の運転をする人は、より自分の体調に敏感でいなければいけません。
さらに睡眠時無呼吸症候群が他の病気を引き起こし、併発してしまうリスクもあります。自分の健康のためにも、社会の安全のためにも、気になる人は今から行動してみましょう。
いかがでしたか?まずは簡単なセルフケアからはじめ、そして一度医療機関に検査に行ってみるのはいかがでしょうか?
生活習慣と一緒に睡眠時無呼吸症候群を改善させ、良質な睡眠を手に入れてくださいね。
睡眠時無呼吸症候群は放置すると危険な病気です。睡眠中に呼吸が止まってしまったり、一緒に寝ている家族にいびきで迷惑をかけてしまったり、当然睡眠の質も低下します。周囲の人からいびきを指摘されたり、寝ている時に呼吸が止まっていると指摘されたら、早めの対処をはじめてください。その他、睡眠の悩みに関するセルフケア方法、予防や対処の方法をまとめていますので合わせてご覧ください。