早く布団に入っても、なかなか寝付くことができず目が冴えている。長時間眠っても熟睡することができず、疲れを次の日まで引きずってしまう。このような不眠の症状に悩んでいませんか?
生活習慣に問題があるのが分かっていても、仕事が忙しくて改善させるのはなかなか難しく、さらに今あなたの不眠の状態が深刻ならば、病院に行って睡眠薬を処方してもらうことをおすすめします。
睡眠薬を飲むことに抵抗がある人もいると思います。けれど量や飲み方に気をつけ、そしてこまめに主治医の方と相談をしていれば、決して睡眠薬は危険なものではありません。今あなたが抱えている睡眠の苦しみを減らすためにも、睡眠薬を一つの選択肢の一つとして考えてみるのはいかがでしょうか?
この記事では睡眠薬、また市販で購入できる睡眠導入剤などについて詳しく紹介します。
眠れなくて辛い、睡眠不足で学校や仕事などの日常生活にも支障が出てきてしまっているなら、睡眠薬や睡眠導入剤も1つの選択肢です。
それでもどうしても抵抗がある場合は 睡眠サプリおすすめランキング で紹介している品質の高いサプリメントを利用するのもおすすめです。天然由来成分を使っていて体に負担がかからないものも多いので、合わせて参考にしてください。
このページの目次
睡眠薬を処方してもらううえで気をつけた方がいいこと3つ
眠れない夜が続き、睡眠薬を利用することを考えた時は、まず睡眠薬を処方してくれる病院に行くことがスタートになります。内科、心療内科、精神科、女性の方は婦人科などもおすすめです。最近では睡眠専門の外来などもあるので、自宅から近くの病院を検索してみてはいかがでしょうか?
そして病院で睡眠薬を処方してもらう上で、気をつけてほしいことを3つ紹介します。
自分がどんな状態なのか病院に行く前に書き出しておきましょう
病院で処方してもらう睡眠薬にもそれぞれ様々な効果があります。なのでお医者さんがあなたの症状をしっかりと把握して正しい睡眠薬を処方することができるように、事前に睡眠に関する症状、状態を把握し書きだしておくことをおすすめします。
- いつから眠れなくなったのか
- 寝つきが悪いのか、それとも起きることがだるくてできないのか
- 夜中に目覚めてしまい熟睡ができないのか、長時間眠っても疲れがとれないのか
- 朝になると体の部位で違和感を感じている場所はないか
このようにあなたが睡眠で感じている不快な症状をチェックし、把握しておきましょう。
さらにあなたの生活環境も、病院に行く機会を利用して改めて確認しておくことをおすすめします。
- 現在の仕事の環境はストレスが溜まりやすいのか、残業はどれくらい月にどれくらいあるのか
- 1日平均何時間くらい睡眠時間が現在確保できているのか
- 就寝時間は毎日夜の何時頃か、また夜型の生活になっていないか
- アルコールやカフェインなど、睡眠の妨げになるものを眠る前に摂取していないか
- 日頃からマラソンや散歩など適度な運動をしているか
- 自炊が多いのか、外食が多いのか
あなたが不眠で悩んでいた場合、原因は生活習慣である可能性もあります。お医者さんが適切な診断ができるように、なるべく自分生活サイクルや状況も思い出して書き出しておきましょう。お医者さんがより不眠の原因を見つけやすくなります。
睡眠薬の種類を知っておきましょう
病院で処方される薬にはさきほども説明しましたが、様々な種類があります。処方された薬の副作用などを避けるためにも、事前に効用を確認しておくことをおすすめします。
処方される代表的な薬をいくつか紹介します。
ハルシオン(トリアゾラム)
ハルシオンはベンゾジアゼピン系に属する睡眠薬です。ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は安全度が高く、副作用がほとんどない薬です。
ハルシオンは効き目が早く、効果の強い睡眠薬といえます。効果に個人差はありますが、服用して15〜20分後には眠気が訪れ、1.2時間後には血中濃度が最大にまで達します。寝つきが悪くて眠れない人におすすめの睡眠薬です。
効果の早さからせん妄状態や一過性前向性健忘症を引き起こしてしまう可能性がハルシオンにはあります。自分が意識していない言葉を口走ったり、薬を飲んでから眠るまでの間の記憶がなくなってしまったりする症状です。こういった症状を防ぐためにも、飲む量や頻度には気をつけておきましょう。
マイスリー(ゾルピデム)
マイスリーは非ベンゾジアゼピン系に属する睡眠薬になります。GABA系の抑制機構といった、脳内の興奮を司る神経物質の働きを抑えるメカニズムに作用することができます。それによって鎮静作用が働き、ハルシオンと同じように寝つきをよくします。
またマイスリーは短時間の効果が特徴の睡眠剤なので、翌朝まで睡眠薬の効果が持ち越されることがありません。睡眠薬を飲んだあと、起きる時に体がだるかったり、寝起きが悪かったりする人にはマイスリーがおすすめです。
また睡眠薬を飲んで不眠の症状を改善されたあと、急に薬を飲むのを止めると以前より不眠症状があらわれることがあります。こういった症状のことを反跳現象、反跳生不眠などといいます。マイスリーは比較的この反跳現象が少ない睡眠薬といわれています。
しかし服用を止めるかどうかは、自己判断せず事前にお医者さんに相談してからにしましょう。
レンドルミン(ブロチゾラム)
レンドルミンはハルシオンと同じ、ベンゾジアゼピン系に属する睡眠薬です。中枢神経に作用する催眠鎮静剤です。不眠の他にも不安、緊張、抑うつなどにも効果がある薬です。薬の効用自体はあまり強くないので依存症などになる恐れが少ない薬です。
レンドルミンの副作用で気を付けてほしいのは、薬の血中濃度が半分になる半減期まで7時間あるので、1日の睡眠時間が7時間以下の場合、次の昼間まで眠気や、だるさ、倦怠感が持ち越されてしまう可能性があります。
そしてレンドルミンもハルシオンと同じように副作用としてせん妄状態や一過性前向性健忘症の可能性があるので、量や頻度にはしっかりとお医者さんと相談するようにしましょう。
お医者さんによく相談し、指示に従いましょう
睡眠薬の種類を紹介した時にも書きましたが、睡眠薬には依存症や副作用というマイナスの側面もあり、かつ量のコントロールなどは専門家やお医者さんの指示が非常に重要な指標になります。量を増やしたい人も減らしたい人も必ず事前に相談をするようにすることをお勧めします。
自己判断をしてしまうと不眠症がより重くなってしまったり、副作用が悪化してしまったりすることもあるので気をつけてくださいね。
医師に言われた用法・用量を必ず守って飲むようにしてください。量を増やす場合でも、自分で判断をせずに、必ず医師に相談をしてからにしましょう。
また、睡眠の悩みや睡眠障害の症状は人それぞれ違います。医師はその人の症状に合わせて薬を処方しているので、勝手に薬を人にあげたり、貰ったりして飲んではいけません。睡眠薬を飲みたいと感じた時には、自分の体調や症状をきちんと把握して、病院で診察を受けることが大切です。
市販でおすすめの睡眠導入剤3つ
ドラッグストアなどにもあなたの睡眠を助けてくれる薬があります。睡眠薬は処方箋がないと購入することができないので、薬局で売られている薬は「睡眠導入剤」といいます。
薬屋さんで気軽に手に入るおすすめの睡眠導入剤を3つ紹介します。
ドリエル
「ドリエル」という睡眠導入剤の名前を、 テレビのCMなどで聞いたことがある人も多いかと思います。このドリエルは抗ヒスタミン剤という種類の睡眠導入剤になります。ヒスタミンというのは神経伝達物質です。脳の神経の間で情報を伝える働きのある物質の一つなので、覚醒作用があります。
抗ヒスタミン剤にはヒスタミンの働きをブロックする効果があり、それによって脳の覚醒がおさまり催眠鎮静作用があります。
ドリエルは飲んでから約1時間後に効果があらわれ、6時間ほど持続するのが個人差はありますが一般的です。なので眠る1時間前に飲むのがちょうどいいでしょう。
お医者さんに行く必要がなく、ドラッグストアなどで手軽に手に入れることができるのがメリットですが、睡眠薬と違い自分の不眠の症状に合わせた薬ではないので、完全に不眠の改善を約束する薬ではないです。症状が軽く、一時的に使用したい人に向いている薬です。
また服用しているうちに体がドリエルに慣れ、耐性ができてしまい飲み始めの頃より効き目が薄くなってしまう可能性もあるので、効果の大きさが変わってきていないか、時々意識してみてくださいね。
ウット
ウットも市販で売られている睡眠導入剤になります。不眠の他にも頭痛や神経の興奮、高ぶりなどを鎮静する働きのある薬です。
ウットにはジフェンヒドラミン塩酸塩とブロムワレリム尿素という成分が主成分です。この成分での睡眠導入剤はドリエルよりも不眠改善の効果が強いものになります。
ウットは副作用として頭痛、めまい、ふらつき、健妄症等多数の症状があるので、服用の量は必ず守りましょう。
ドリエルよりも効果の強い睡眠導入剤にはなるので、ドリエルであまり効果を感じられなかった人は試してみては?
漢方
睡眠導入剤ではないのですが、最後に睡眠の手助けをしてくれる漢方をいくつか紹介します。漢方を日常的に利用することのメリットは、睡眠薬や睡眠導入剤と違って副作用がほとんどなく、ストレスや冷えといった不眠の症状のきっかけとなる根本的な原因へ効果があることです。
すぐに眠気があったりと即効性のあるものではないのですが、体質改善に取り入れてみては?
酸棗仁湯(さんそうにんとう)
興奮状態がつづいて寝つきが良くない時におすすめの漢方です。精神を落ち着かせる効果があり、また体質を改善して強い体をつくる手助けにもなるので高齢者の方などにおすすめの漢方でもあります。
黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
体と心両方が疲れていてよく眠れない時に黄連解毒湯はおすすめです。比較的体力があり、また暑がりで体内に熱がこもりやすい人などに鎮静効果があります。熱で活発になりすぎている機能を鎮める働きがあります。
なので黄連解毒湯は冷え性の人などにはおすすめできない漢方です。
加味逍遥散(かみしょうようさん)
普段ストレスなどを抱えることが多く、不安を抱えてしまい眠ることができない人に「加味逍遥散はおすすめです。この漢方には不安な気持ちを落ち着ける、冷え性改善、肩こり、疲れ解消などに効果があります。
睡眠薬を利用するうえで気をつけてほしいこと3つ
最後に睡眠薬を利用する上で注意してほしいことを3つ紹介します。これから睡眠薬、または睡眠導入剤の利用を考えている人は自分の体を守るためにも、必ず参考にしてくださいね。
併用する薬の種類に注意する
もしあなたが睡眠薬と一緒に、他の病気のための薬を飲む必要があるならば、必ず併用して飲んでいい薬なのか、飲む前に主治医の先生に確認しましょう。
高血圧や糖尿病を持っている人は、複数の薬を飲んでいることが多いので注意が必要です。マクロライド系の抗菌薬や、胃潰瘍の治療で使うシメチジン、そしてカルシウム拮抗薬には気をつけて下さい。これらの薬を睡眠薬と一緒に飲むと睡眠薬の服用が遅れてしまい、通常よりも作用が強くあらわれてしまって危険です。
ハルシオンやレンドルミンといったベンゾジアゼピン系に属する薬は、抗不安剤や抗てんかん剤にもある薬なので、併用してしまうと作用が強くあらわれてしまいます。
グレープフルーツジュースで睡眠薬を飲むのも止めましょう。一緒に飲むと薬の作用が強くなってしまいます。グレープフルーツジュースをよく飲む人は気をつけてくださいね。
アルコールと一緒に飲むのは危険
夜寝る前に寝つきを良くするために、お酒を飲んで眠る人がいると思いますが、睡眠薬と一緒に飲むのは危険なので、避けるようにしてください。
アルコールと睡眠薬を一緒に飲んでしまうと、脳の活動をどちらも鎮静させてしまい、効果が通常の服用よりも大きくなってしまいます。そうすると睡眠薬が効いている持続時間が長くなってしまい、次の日、活動しなくてはいけない昼間にまで効果が続いてしまいます。
さらに飲んでいる睡眠薬の持続時間がハルシオンのように短いものであった場合、アルコールが体内で分解された時に作られる「アセトアルデヒド」という物質のせいで、夜中に起きてしまいます。このアセトアルデヒドには覚醒作用があるからです。
アルコールを飲んで眠ったあと、途中で目覚めてしまった経験はありませんか?それはアセドアルデヒドが原因です。
どうしても眠る前にアルコールを飲むことがやめられない人は、「メラトニン受容体作動薬」という、体内時計のリズムを整えてくれる睡眠薬を利用することをおすすめします。「ロゼレム」という睡眠薬が、このメラトニン受容体作動薬にあたりますよ。
通販や個人輸入の睡眠薬は違法の可能性が非常に高い
「睡眠薬 通販」といったキーワードでインターネットを検索すると、睡眠薬を購入できる英語や日本語のサイトが多数出てくると思います。けれど気をつけて下さい。本来睡眠薬は処方箋がないと購入できない薬です。ドラッグストアに睡眠薬が売っていないのと同じで、通信販売で睡眠薬を購入することもできないはずなんです。
売ることができないはずの睡眠薬をインターネット上で販売しているサイトがあった場合、個人輸入代行という名目で販売している可能性が高いです。
睡眠薬を自分のみが使うという目的であれば、一ヶ月以内の分の睡眠薬を個人輸入することが国で許されています。このシステムを利用しているように見せかけて睡眠薬を販売しているのです。
さきほども説明したように、睡眠薬の個人輸入が許されているのは、あくまでも「自分だけの使用」を前提にしているので、通販サイトを利用するお客さんの睡眠薬を輸入することはできないのです。なので個人輸入代行という、一見安全そうに思える言葉に騙されないよう気をつけてください。
睡眠薬を購入したい場合は、必ずお医者さんに行って処方箋をもらいましょう。
睡眠薬の使用を検討しているならまずは医師に相談を
いかがでしたか?現在あなたが不眠で悩んでいて、睡眠薬の利用を考えているのであれば、まずは現在の自分がどんな生活環境なのか、どんな睡眠状態なのか書き出してからお医者さんに行ってみてください。必ずあなたの症状を改善してくれる睡眠薬を処方してくれて、適切なアドバイスをしてくれます。
くれぐれも量や飲む頻度には気をつけて薬に依存してしまわないよう、良質な睡眠を手に入れてくださいね。
何の知識もなく、飲み合わせの悪い薬を飲んだり、海外から取り寄せた強い成分の薬を自己判断で飲むのは非常に危険な行為です。睡眠薬とうまく付き合うには必ず医師に相談をして、きちんと言われたことを守って服用してください。いくら辛い睡眠障害を改善したいからと言っても、過剰な摂取や自己判断は結果的に症状を悪化させる可能性すらあります。睡眠障害や病気についての別のレポートも参考にしてください。